2017年 05月 26日
23 浮ぶ色 [ 紅花栄 ] |
二四節気 小満 / 七十二候 次候 紅花栄
第23候 べにばなさかう
Turner House, Penarth 2016
私はよく夢を見る。
中には、何年経っても忘れられない夢や、
何度も繰返し見るような夢もある。
以前、
氷河が解けたような、乳白色の川に流される夢を見た。
流れに身を任せ、仰向けに浮かんでいる私の視界には
氷河色より少し深い、きれいな水色の空と
ふわりとした雲が広がっていた。
雲間からちらちらと顔を覗かせる太陽は眩しかった。
川は氷河色といっても、心地よく温かな温泉のようで
ただ、流れはとても速かった。
川の勢いに、最初は怖いような心持ち。
それでもそのまま身を任せていると
次第に楽しいような感じさえ覚えたのだった。
遠くには、連なる山が見えていたかも知れない。
あとは、ただただ平原が続いていたけれど
川沿いに並んでいる木々の枝は、
若くて柔らかそうな黄浅緑の葉に覆われていた。
あの時も、ちょうど五月だったのかも知れない。
[ 七十二候 紅花栄 べにばなさかう ]
紅花といえば、すぐに染料やオイルが思い浮かびますが、
歴史上最も古い収穫物の一つとされる植物だそうです。
古代エジプト第12王朝、今から約4000年も前に
既に染料として使われていたとの事。
人類の文化と深く関わりのある花なのですね。
日本へは、シルクロードを経て3世紀末に伝来し、
万葉集、古今集には末摘花という名で登場。
人しれず 思へば苦し
紅の 末摘花(すえつむはな)の
色にいでなむ
題知らず 詠み人知らず
『古今和歌集』
秘め続けた想いに耐えきれず、いっそ、この気持ちを
末摘花の色のように表してしまおうか
と苦しい心の内を詠ったもの。
昔から赤は魔除けの色、吉祥の色とされますが、
和歌ではこうして、様々な恋心と結ばれた色のようです。
イギリスは突然ヒートウェーブ到来。
今日もブログ訪問どうもありがとうございます。
どうぞ素敵な一日を:)
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Tales of Wales 2017 #030
by oliverlocca
| 2017-05-26 00:00
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